うーん、広報誌か…。いざ作ろうってなると、どこから手をつけていいか、わからなくなるんだよな。社内で作るのか、外に頼むのか。頼むとしたら、誰に? 費用は?…考えだすとキリがない。
担当になったはいいけど、何が正解なのか、正直よくわからない。たぶん、みんな同じようなところで悩んでるんじゃないかな。だから、ちょっと頭の中を整理する感じで、書き出してみようと思う。
まず考えるべきこと、というか結論
いきなりだけど、一番大事なのは「誰に、何を伝えて、どうなってほしいか」をはっきりさせること。これに尽きる。 これがブレると、どんなにお金をかけても、きれいなデザインにしても、たぶん誰にも読まれない。ただの自己満足で終わっちゃう。
だから、制作会社を選ぶとか、費用の話をする前に、まず自分たちの広報誌の「目的」を言語化しないとダメだ。 たとえば、顧客向けの広報誌なら、新商品を知ってもらって最終的に買ってもらうのがゴールかもしれないし、社員向けの社内報なら、会社のビジョンを共有して一体感を高めるのが目的かもしれない。 ここを曖昧にしたまま進めるのが、一番の失敗のもとだと思う。
制作会社の選び方、どうやって見極める?
目的が固まったら、次にパートナー選び。つまり制作会社探し。でも、これがまた難しい。いろんな会社があるし、何を基準に選べばいいのか…。
よく言われるのは「実績(ポートフォリオ)を見ましょう」ってことだけど、ただ眺めて「きれいだな」で終わってたら意味がない。 見るべきは、そのデザインが「なぜそうなったのか」っていう論理的な部分だと思うんだ。 その制作会社が、クライアントの目的をどう理解して、どういう意図でそのデザインや構成にしたのか。そこを説明できる会社じゃないと、たぶん、こっちの意図も汲んでもらえない。
だから、ポートフォリオを見ながら、こんな質問をしてみるといいかもしれない。
- この広報誌で、一番伝えたかったことは何ですか?
- そのために、デザインや企画で工夫した点はどこですか?
- 読者からどんな反応がありましたか?
こういう質問に、しっかり答えられる会社は信頼できる気がする。 あと、意外と見落としがちなのが、担当者との相性とか、進行管理をしっかりやってくれるか、という点。 特にこっちが初心者だと、専門用語ばかり並べられても困るし、スケジュールを丸投げされても動けない。 ちゃんとこっちの状況を理解して、リードしてくれる会社じゃないと、結局大変な思いをするのは自分たちだから。
で、結局いくらかかるの?費用の話
一番気になるのが、お金の話。広報誌の制作費用って、本当にピンキリ。どこまで頼むかで全然変わってくる。
ざっくり分けると、こんな感じかな。
- 企画から印刷まで全部おまかせ: 1号あたり50万円以上は見ておきたい。 インタビューや撮影が多いと、もっと上がる。手間はかからないけど、一番お金はかかる。
- デザインと印刷だけ依頼: 企画や原稿は自分たちで用意するパターン。1号あたり10万~50万円くらい。 コストを抑えつつ、プロのクオリティを出したい場合に良い選択肢。
- 印刷だけ依頼: Wordとかで作ったデータを渡して、印刷してもらう。5万円くらいからできるけど、デザインのクオリティは自分たち次第。
A4サイズ8ページ、500部くらいだと、デザインと印刷で30万円~というのが一つの目安になるかもしれない。 もちろん、Web社内報にするなら印刷費はかからないけど、代わりにシステムの初期費用や月額利用料がかかる。 長期的に見ればWebの方が安くなることもあるから、どっちがいいかは目的次第かな。
どこに頼む?依頼先の比較
制作会社と一言で言っても、いろんなタイプがある。これも整理しておこう。
| 依頼先 | メリット | デメリット | どんなときに向いてる? |
|---|---|---|---|
| フリーランス(個人) | 費用が安いことが多い。融通がききやすいかも。 | スキルや経験の差が大きい。一人でやってるから、急な対応は難しいかも。 | ある程度こっちに知識があって、特定の作業(デザインだけとか)を頼みたいとき。 |
| 中小規模の制作会社 | 専門性が高くて、小回りがきく。丁寧に対応してくれるところが多い印象。 | 会社によって得意分野が偏ってるかも。Webは強いけど紙は…とか。 | 企画から相談したいけど、大手代理店ほどの予算はないとき。長期的なパートナーを探している場合。 |
| 大手広告代理店 | 実績豊富で、品質は安定してる。Webやイベントとか、他の施策と連動した提案もしてくれる。 | 費用は高め。担当者が頻繁に変わる可能性も…。 | 予算が潤沢で、ブランディング全体に関わるような大きなプロジェクトのとき。 |
制作の基本的な流れ
外注するにしても、自分たちで作るにしても、大まかな流れを知っておかないと話にならない。だいたいこんな感じ。
- 企画・編集会議: まずは、何を載せるか決める。特集記事、インタビュー、連載など。ここで目的と読者を再確認するのが大事。
- 取材・原稿作成: 企画に沿って、取材のアポ取り、インタビュー、写真撮影、原稿執筆を進める。 外部に依頼する場合、この辺りから関わってもらうことが多い。
- デザイン・レイアウト: 集まった原稿と写真を、どう配置するか決める。全体の印象が決まる重要な工程。 文字の大きさとか、余白の取り方とか、細かいルール(フォーマット)を最初に決めておくと、後が楽。
- 校正: 誤字脱字や内容の事実確認。これが一番地味で、でも一番大事かもしれない。最低でも2〜3回は違う人の目でチェックしたい。
- 印刷・納品(またはWeb公開): 全てのチェックが終わったら、いよいよ印刷会社に入稿。Webならサーバーにアップロードして公開。
スケジュールを立てるときは、発行日から逆算して、各工程にどれくらい時間がかかるか具体的に洗い出すことが重要。 特に、取材先や上司の確認に時間がかかることが多いから、余裕を持ったスケジュールを組まないと、だいたい遅れる。
反響はどうやって測る?効果測定の話
作りっぱなしで終わり、じゃ意味がない。広報誌がちゃんと「目的」を果たせているのか、効果を測る必要がある。でも、正直これが一番難しい。
海外のマーケティング、例えばContent Marketing Instituteみたいなところだと、ROI(投資対効果)をきっちり計算する話がよく出てくる。 「かけた費用に対して、どれだけ利益が生まれたか」を数字で出す考え方だ。 でも、広報誌の効果って、すぐには売上に繋がらないことが多い。 信頼関係の構築とか、ブランドイメージの向上とか、数値化しにくいものがほとんどだから。
だから、日本ではまず、もっと手前の指標(KPI)を見ることが多い気がする。 例えば、
- 読者アンケート: 定番だけど、直接的な感想が聞ける一番の方法。「面白かった記事は?」「次は何が読みたい?」とか。
- ウェブ版のアクセス数: Web広報誌なら、PV数や滞在時間、どの記事がよく読まれているかがわかる。
- 問い合わせ数の変化: 広報誌で紹介した商品やサービスに関する問い合わせが増えたか、など。
- 社内の声: 社内報なら、社員から直接ヒアリングするのも大事。「あの記事、面白かったよ」という一言が、次のモチベーションになる。
大事なのは、これらの結果を見て、次の企画に活かすこと。PDCAを回す、ってやつだ。 日本雑誌協会のような団体もデジタル化のガイドラインを出していたりするけど、結局は自分たちの読者と向き合って改善を続けるしかないんだろうな。
よくある失敗と、そうならないための備え
最後に、広報誌づくりで陥りがちな「よくある失敗」をいくつか。自分への戒めも込めて。
- 内輪ネタばかりで読者が置いてけぼり: 作っている側は面白いけど、読者には何のことかさっぱりわからない。「専門用語の解説を入れる」「第三者の視点でチェックしてもらう」などの工夫が必要。
- 企画のマンネリ化: 毎年同じような企画ばかりで、作る方も読む方も飽きてしまう。 読者アンケートを参考にしたり、他社の広報誌を研究したりして、常に新しいネタを探す努力が大事。
- スケジュール管理の甘さ: 「まだ大丈夫」と思っていたら、あっという間に締切が来る。各工程の担当者と期限を明確にした進行表を作って、週に一度は進捗を確認するくらいじゃないと、うまく回らない。
- 担当者の孤独: 一人で全部抱え込んで、誰にも相談できずにパンクしてしまうケース。広報誌はチームで作るもの。上司や同僚を巻き込んで、負担を分散させることが、継続の秘訣だと思う。
結局、いい広報誌を作るのに、魔法の杖はないんだよな。地道に目的を考えて、パートナーをしっかり選んで、読者の反応を見ながら改善していく。その繰り返し。…言うのは簡単だけど、やるのは大変だ。まあ、少しずつやっていくしかないか。
それで、この記事を読んでくれたあなたは、これからどんな広報誌を作りたいですか? 顧客向け? それとも社員向け? よかったら、あなたの考えを聞かせてください。
