最近、ちょっと考えてたんだけど…。2025年3月に韓国で起きた、あの、大規模な山火事のこと。ニュースで見て、本当に言葉を失うというか…、被害が想像以上で。韓国って、正直、アメリカとかオーストラリアみたいに「山火事の国」っていうイメージは、そこまでなかったから。でも、今回のやつは、なんかもう、国の歴史を書き換えるレベルの大災害だったみたいで。
それで、亡くなった方や家を失った方のことを思うと、本当に胸が痛むんだけど、同時に、こういうのって、もう「想定外の天災」で片付けていい話じゃないんだろうな、とも思ったんだ。気候変動とか、いろんな要因が絡んでるわけで。…で、ふと、じゃあテクノロジー、特にAIとかって、こういう時に何か役に立てないのかなって。そんなことを、ずっと頭の中でぐるぐる考えてたんだよね。
一言で言うと、こういうこと
まあ、結論から先に言っちゃうと、AIとかIoTセンサーみたいな技術をうまく使えば、山火事を「起きてから叩く」んじゃなくて、「起きる前に予測する」とか、「もっと賢く消火する」ってことが、理論上は可能になるはず。ただ単に人手とヘリを増やすっていう根性論だけじゃ、もう追いつかない時代なのかもしれない。
そもそも、2025年の山火事って何がそんなにヤバかったの?
今回の話をする前に、まず、あの山火事がどれだけ異常だったかっていうのを、ちょっとだけ共有しておきたい。うん、データで見ると、そのヤバさがよくわかるから。
被害が出たのは、主に慶尚北道っていう、韓国の南東部のエリア。燃えた面積が、なんと38,000ヘクタール以上。これ、ピンとこないかもしれないけど、だいたいニューヨーク市の半分が燃えた、って言えばスケールがわかるかな…。韓国の観測史上、最大らしい。それまでの記録が、2000年の24,000ヘクタールだったから、一気に記録を更新しちゃったわけだ。
一番つらいのは、やっぱり人的被害で…。確認されてるだけで28人の方が亡くなって、その多くが60代とか70代のお年寄りだった。避難が間に合わなかったんだろうね。想像するだけで、本当に…。あと、住む場所を追われた人が3万7000人以上。家とか工場とか、300以上の建物が灰になった。何十年も住んできた家が目の前で燃えるのを、ただ見てるしかなかったっていう人のインタビューとか、もう、見てられなかった。
文化的な損失も、計り知れない。例えば、高雲寺(コウンサ)っていう、1300年の歴史があるお寺。新羅時代から続く場所が、ほぼ全焼したって。もう、取り返しがつかないよね…。ユネスコの世界遺産になってる河回村(ハフェマウル)とかも、本当にギリギリのところで消防隊が食い止めた、みたいな状況だったらしい。
なんでこんなことになったかって言うと、まあ、「最悪の条件」が全部そろっちゃった感じなんだよね。春なのに雨が全然降らなくて、異常なくらい乾燥してた。そこに、気温が20度を超える日が続いて、強い風が吹いた。火元は、たぶん、お墓の周りの草を燃やしたとか、そういう人的なものらしいんだけど、普段ならボヤで済むような火が、一気に燃え広がった。…あと、皮肉な話なんだけど、韓国ってここ数十年、緑化政策がすごくうまくいってて、森が豊かになってた。でも、それが逆に、地面に落ち葉とか松の葉とか、燃えるものをたくさん溜め込む結果にもなってたみたいで。専門家が言うには「想像を絶する規模と速度」で火が広がった、と。うん、まさにそんな感じだったんだろうな。
じゃあ、AIとかIoTで何ができるの?
で、ここからが本題。こんな悲劇を繰り返さないために、技術で何ができるのかって話。もちろん、技術が万能だなんて言うつもりは全くない。でも、やれることは絶対にあるはず。大きく分けると、たぶん4つのフェーズで考えられると思うんだ。
まず一つ目は、「予防」。火事が起きる『前』に、ヤバい場所とタイミングを予測するってこと。AIに過去の山火事データ、気象データ、地形、植生の乾き具合とかを全部学習させる。そうすると、「このエリア、今週の木曜の午後が一番危ないです」みたいな、超高精度なピンポイント予測ができるようになるかもしれない。今はたぶん、もっと大まかな「乾燥注意報」くらいだからね。精度が全然違う。
二つ目は、「早期発見」。もし火が出ちゃっても、いかに早く見つけるか。これも重要。韓国は山が険しいから、人が歩いて見回るのには限界がある。そこで、森の中にIoTセンサー…まあ、熱とか煙とかを感知する小さな機械をたくさん設置しておく。それと、AIを積んだドローンを自動で飛ばす。人間が見落とすような小さな煙や熱源を、AIが画像解析で見つけ出して、即座に通報する。数時間、いや数十分早く見つけるだけで、結果は全然違ってくるはず。
三つ目は、実際の「消火活動」の支援。火がどこに、どういう風に広がるかっていうのを、AIがリアルタイムでシミュレーションする。風向き、地形、燃えやすい木の種類とかを全部計算に入れて、「次はこっちに延びるから、先にこっちに回り込んで防火帯を作れ」みたいな、最適な作戦を提案してくれる。現場の消防士さんたちは、勘と経験に加えて、データっていう強力な武器を持てることになる。
最後に、四つ目。「復旧」のフェーズ。火事が終わった後、どこから手をつけるべきか。これも、ドローンとか衛星写真をAIが解析すれば、「この斜面は土砂崩れの危険性が高いから、すぐに対策が必要」とか、「このエリアは生態系の回復が遅れてるから、植林を優先しよう」とか、そういう判断がすごくやりやすくなる。
…と、まあ、理想を語ればこんな感じ。これを表にまとめてみると、もっとわかりやすいかな。
| 項目 | これまでのやり方 | AI/IoTを使った新しいやり方 |
|---|---|---|
| リスク予測 | 過去の統計と、ベテランの勘。どうしても大雑把な「注意報」レベルになりがち。 | AIが気象、地形、植生データを全部解析。ピンポイントで「いつ、どこが危ないか」を予測。人間が見落とすパターンも掴む。 |
| 火種の発見 | 住民からの通報や、監視員のパトロール。…でも、山奥だと発見が遅れるのは避けられないよね。 | 森のIoTセンサーが熱や煙を24時間監視。AIドローンが上空から異常を検知。人間よりずっと早く、正確。 |
| 消火活動 | 現場指揮官の経験と判断が全て。風向きの急な変化とか、予測しきれない要素が多すぎる。 | AIが火の延焼ルートをリアルタイムでシミュレーション。「ここに水を撒くのが一番効率的」とか、最適な作戦を提案してくれる。 |
| 被害状況の把握 | 鎮火後に、職員が歩いて調査。時間もかかるし、危険な場所もある。全体像を掴むのが大変。 | ドローンや衛星画像で一気に全体をスキャン。AIが解析して、被害マップを数時間で作成。復旧計画がすぐ立てられる。 |
とは言え、課題もあるよね
もちろん、こんなうまい話ばかりじゃない。実際にやろうとすると、いろんな壁がある。これも考えとかないと。
まず、やっぱり「地形の問題」。さっきも言ったけど、韓国は山ばっかりで、しかも険しい。そんなところに、どうやって無数のセンサーを設置して、電源を確保して、通信させるのか。すごく地道で、お金もかかる話。
それから、「既存システムとの連携」。最新のAIシステムを導入しました、はい終わり、じゃない。それを現場の消防士さんとか、韓国森林庁の職員さんたちが、ちゃんと使いこなせないと意味がない。訓練も必要だし、今までのやり方を大きく変えることへの抵抗もあるかもしれない。
あと、そもそも論として、センサーとかドローン自体が火事に耐えられるのか、っていう問題もある。一番大事な時に、熱で壊れちゃったら元も子もないからね。耐火性とか、冗長性…つまり、いくつか壊れても大丈夫なような設計にしとかないといけない。
まあ、他にもデータプライバシーの問題とか、セキュリティの問題とか、考え出すとキリがないんだけど。でも、こういう課題を一つ一つ潰していくのが、結局は一番の近道なんだろうな、と思う。
大事なのは「技術」と「現場」の連携
結局のところ、すごいAIモデルを作りました、高性能なドローンを買いました、で終わる話じゃないんだよね。今回の韓国の山火事の時も、実は、消火用のヘリコプターの一部が、ロシア製だったせいで部品が手に入らなくて、飛べなかったっていう話があったらしい。ウクライナの戦争が、遠く離れた韓国の山火事に影響してる。そういう、予想外の連鎖ってあるんだよね。
だから、どんなに素晴らしい技術も、それがちゃんと「現場で」「安定して」使える状態でなきゃ、絵に描いた餅でしかない。アメリカ軍からヘリを借りたりもしたらしいけど、やっぱり自分たちの国を、自分たちの技術で守れる体制を作るのが理想だよな、と。
AIやIoTを導入するっていうのは、たぶん、単に機材を買い替えるんじゃなくて、災害対策の「哲学」そのものを変えるってことなんだと思う。勘と経験と根性でなんとかする世界から、データと予測と戦略で立ち向かう世界へ。もちろん、現場の勇気や判断力はこれからも絶対に必要。でも、その勇気や判断を、もっと正しい方向で、最大限に活かすために、テクノロジーがある。その連携が、すごく大事なんだろうな。
この2025年の災害から何を学んで、次にどう備えるか。それは、韓国だけの話じゃなくて、たぶん、日本に住む僕たちにとっても、決して他人事じゃない。そんなことを、つらつらと考えてしまった。
あなたなら、限られた予算の中で何を優先しますか?「予測精度を上げるためのAI開発」と、「現場の消火ヘリや人員を増やす」こと。もしよければ、あなたの考えも聞かせてください。
